ブログ
2025.02.26
原価計算をマスターしよう!エクセルと会計ソフトで学ぶ実践的なやり方

「売上が上がっているのに、なぜ利益が減っているのだろう…」このような悩みは、多くの経営者が直面する課題です。売上が確かに増えているにもかかわらず、利益が減少している。この原因の多くは、原価計算の見落としにあります。
「売上は伸びているのに、利益が出ない..」
「新商品の価格設定はどうやって決めればいいのだろう?」
「人件費や経費をどう配分すれば良いのかわからない」
実は、これらの問題は「原価計算」をマスターすることで解決することができます。
でも、独学で原価計算に取り組むのは、なかなか大変です。
そこで本記事では、エクセルや会計ソフトを使って、誰でも簡単に始められる原価計算の方法をご紹介します。初心者の方でも安心して始められる基本から、実務で使える応用テクニックまで、分かりやすく解説していきます。
さらに、商工会議所のパソコン教室で学ぶメリット、取得できる資格についても触れ、独学では得られない効果的な学び方を提案します。
ビジネスで役立つスキル習得の第一歩として参考にしてください。
目次
原価計算とは?基本を押さえよう

原価計算とは、簡単に言えば、製品等を作るためにいくらかかったのかを計算することです。
これを製品の種類毎に計算すれば、各製品を作るのにいくらかかったかが分かるので、各製品の販売価格をいくらに設定すれば、どれだけ利益が出せるのかが分かりますし、製造工程別に分けて計算すれば、どの工程で製造コストがかかっているのかが分かり、改善や効率化すべきポイントが浮き彫りになります。
このように原価計算が分かれば、会社の利益を生み出すポイントが見えてくるので、その知識は会社から大変重宝されるのですが、「原価計算」という言葉は一般的にはなじみが薄く、言葉を聞くだけで難しいと感じる方も少なくありません。
ここでは、原価計算の基本や目的をわかりやすく解説し、初心者でも理解しやすいポイントを押さえていきます。
原価計算の定義と基本
ビジネスの収益性を高めるには、原価を正確に把握することが重要です。
先ほども書いたように、原価とは、材料費や労務費、間接費など、製品やサービスの製造・提供にかかる全てのコストを指しています。
正確な原価を把握することは、経営の効率化や収益の向上を目指すうえで重要です。
原価をきちんと理解していれば、利益率を正確に把握でき、売上目標の達成に向けた戦略が立てやすくなります。
また、経費削減や効率改善の課題を特定する際にも、原価計算は欠かせません。
特に中小企業では、限られた資源を有効活用するために原価計算が必要不可欠です。
原価計算の種類
原価計算には目的に応じたさまざまな種類があります。
ここでは、製造原価や販売原価などの分類と、それぞれの計算が持つ具体的な目的について解説します。
製造原価と販売原価の分類
原価計算は、費用の発生源や目的に応じていくつかの種類に分けられます。
代表的なものは、以下のとおりです。
- 製造原価:製品を製造する際に直接または間接的に発生するコスト(例:材料費、労務費、工場の光熱費など)
- 販売原価:製品やサービスを顧客に届けるために必要なコスト(例:物流費、広告費、営業費など)
それぞれの計算の目的
製造原価と販売原価は、それぞれ異なる目的に基づいて計算されます。
正しく理解することで、効率的なコスト管理や利益率の改善につながります。
ここでは、各計算が持つ具体的な役割とその活用方法を解説します。
- 製造原価:適正な価格設定や製造効率化に活用され、コスト削減と収益性向上の指標
- 販売原価:収益構造を明確化し、販売効率化や広告費最適化に活用できる重要な情報源
原価計算に必要な準備
原価計算を正確に行うためには、事前の準備が重要です。
必要なデータを適切に収集し、基本的な計算式を理解しておくことで、スムーズに原価計算が進められます。
ここでは、データ収集のポイントと計算式の基本について解説し、初心者でも実践しやすい方法をご紹介します。
データ収集のポイント
原価計算を正確に行うための第一歩は、必要なデータを整理し、収集することです。
収集すべき項目とその具体的な方法について詳しく説明します。
必要な項目の整理(材料費、労務費など)
原価計算に必要なデータは、大きく以下の3つに分類されます。
- 材料費:製品の製造に直接使用する材料の費用(例:原材料、部品)
- 労務費:作業に従事する従業員に支払われる給与や手当
- 間接費:直接的ではないが製造に関係する費用(例:光熱費、設備の減価償却費)
これらの項目をあらかじめリスト化し、必要なデータを明確にするのが重要です。
正確なデータを収集する方法
正確なデータを収集するためには、以下の方法が効果的です。
- 明確な記録を保持する:材料の購入履歴や労働時間を詳細に記録する
- システムの活用:エクセルや会計ソフトを使用してデータを一元管理する
- 定期的なチェック:定期的にデータの精度を確認し、不備があれば修正する
こうした準備を怠ると、計算ミスや不正確な結果につながるため、丁寧に対応しましょう。
基本的な計算式の理解
原価計算には基本的な計算式があり、理解することで計算プロセスを効率化できます。
ここでは、主要な計算式と初心者向けの具体例を紹介します。
原価計算に使用される主な計算式
原価計算において頻繁に使用される基本的な計算式は以下のとおりです。
- 製造原価の計算式:
製造原価 = 材料費 + 労務費 + 間接費 - 販売原価の計算式:
販売原価 = 製造原価 + 販売費(広告費、物流費など)
これらの計算式を基に、各費用を正確に算出することで、製品やサービスの実際のコストを明確にできます。
初心者向けのわかりやすい例
具体的な例を挙げて説明します。
例1:ある商品を製造する際に、以下の費用が発生しました。
- 材料費:10,000円
- 労務費:5,000円
- 間接費:3,000円
計算方法:
製造原価 = 10,000円 + 5,000円 + 3,000円 = 18,000円
各項目を計算式に当てはめるだけで簡単に原価を算出できます。
初心者でも、基本を理解すればスムーズに進められるでしょう。
エクセルで原価計算を行う方法

原価計算を手軽に始めたい方には、エクセルの活用がおすすめです。
エクセルは柔軟な機能を備えており、簡単な操作で正確な計算が可能です。
ここでは、エクセルの基本操作と便利な機能、実践的な原価計算表の作成方法、さらにエクセルを使用する際のメリットと注意点を解説します。
エクセルの基本操作と便利な機能
エクセルを使った原価計算では、関数やテンプレートの活用がポイントです。
まずは、エクセルの基本操作を押さえ、作業を効率化する便利な機能を学びましょう。
SUM関数やIF関数の活用
エクセルには、原価計算に役立つ多くの関数があります。
その中でも特に活用されるのが、以下の関数です。
- SUM関数:指定した範囲内の数値を合計する
例:=SUM(A1:A10) は、A1からA10までの数値を合計します - IF関数:条件に応じて異なる値を返す
例:=IF(A1>100、 “高コスト”, “低コスト”) は、A1が100より大きければ「高コスト」、それ以外なら「低コスト」と表示します
これらの関数を使えば、データの自動集計や条件ごとの分類が簡単に行えます。
テンプレートの作成手順
エクセルで原価計算を効率的に行うには、テンプレートを作成するのが効果的です。
以下が基本的な手順です。
- 必要な項目を列に入力(例:材料費、労務費、間接費)
- 各項目の合計を計算するセルを設定(SUM関数を使用)
- デザインやフォントを整え、見やすいフォーマットにする
- 必要に応じて、グラフや条件付き書式を追加する
毎回ゼロから作業する手間が省け、計算ミスも減らせます。
実践:エクセルで原価計算表を作成
エクセルで実際に原価計算表を作成してみましょう。
具体的な例を使って、ビジネスシーンで活用できるフォーマットを紹介します。
原価計算表の具体例
以下は原価計算表のシンプルな例です。
項目 | 金額(円) | 備考 |
材料費 | 10,000 | 材料購入費 |
労務費 | 5,000 | 作業員の給与 |
間接費 | 3,000 | 光熱費など |
合計 | =SUM(B2:B4) | 自動計算 |
このように表を作成し、金額を入力するだけで自動的に合計が算出されます。
実際のビジネスシーンで使えるフォーマット
ビジネスシーンでは、さらに詳細なフォーマットの活用も可能です。
- 列に「部門別」「月別」などの項目を追加し、コストの内訳を把握する
- グラフを挿入して視覚的にデータを確認する
フォーマットを応用すれば、より効率的な原価管理が実現します。
エクセルのメリットと注意点
エクセルは便利なツールですが、使用時にはメリットだけでなく注意点も押さえておく必要があります。
ここでは、エクセルの柔軟性やコスト面のメリットと、手作業によるミスを防ぐ方法について解説します。
エクセルの柔軟性とコスト面のメリット
エクセルを使う主なメリットは、以下のとおりです。
- 柔軟性:独自テンプレートや計算式の簡単設定
- 低コスト:PCに標準搭載されており、追加の投資が不要
- 汎用性:あらゆる業種や用途に対応可能
中小企業や個人事業主にとっては、手軽に利用できる点が魅力です。
手作業によるミスを防ぐ方法
エクセルでは、手作業によるミスを防ぐための工夫が必要です。
- セルに入力規則を設定:入力可能な値を制限することでミスを減らす
- チェック機能の活用:IF関数や条件付き書式を使い、異常値を検出する
- 定期的なレビュー:作成した計算表を見直し、エラーを確認する
実践することで、エクセルをさらに安心して活用できるようになります。
エクセルと会計ソフトを使い分けるポイント

原価計算を行う際には、エクセルと会計ソフトのどちらを使うべきか迷うことがあります。
それぞれに特徴があり、用途や状況に応じて選択することが重要です。
また、両者を組み合わせることで効率化が図れるケースもあります。
ここでは、エクセルと会計ソフトの適用例や効果的な活用方法について解説します。
どちらを選ぶべきか?比較と適用例
エクセルと会計ソフトには、それぞれの得意分野があります。
利用目的や規模に応じて、どちらが適しているかを判断しましょう。
以下では、エクセル向きのケースと会計ソフトが適している場面を比較します。
エクセル向きのケース
エクセルは以下のようなケースに向いています。
- 小規模なビジネスや個人事業主の場合:コストを抑えながら簡単な計算を行いたいときに適しています
- 柔軟なカスタマイズが必要な場合:独自のテンプレートや計算式を作成したいときに適しています
- 短期間のプロジェクトや試算:特定の期間だけ原価を算出するなど、一時的な使用に適しています
エクセルの柔軟性を活かし、独自の計算方法を試すことが可能です。
会計ソフトが適している場面
一方で、会計ソフトは以下のような場面で活躍します。
- 大規模な事業や多くの取引がある場合:大量のデータを効率的に管理できます
- 財務管理や税務処理も含めた総合的な管理が必要な場合:自動で帳簿作成や税金計算を行える機能が便利です
- 法令遵守が求められる場合:最新の会計基準に対応したソフトを利用することで安心感が得られます
正確さと効率性が求められる場面では、会計ソフトが最適です。
両者を組み合わせる効果的な方法
エクセルと会計ソフトは、用途に応じて組み合わせて使用すると、それぞれの長所を活かせます。
ここでは、両者を連携する際のメリットと具体的な運用例について説明します。
連携することで得られるメリット
エクセルと会計ソフトを併用することで、以下のメリットが得られます。
- データ入力の効率化:エクセルで作成したデータを会計ソフトに取り込むと、手作業を減らせます
- 分析と管理の両立:エクセルで詳細なデータ分析を行い、結果を会計ソフトに反映して総合的な管理を実現します
- コストパフォーマンスの向上:エクセルをメインに使用しつつ、会計ソフトを補完的に活用することで、費用を抑えられます
このように、使い分けや連携を意識することで作業効率が大幅に向上します。
具体的な運用例
プロジェクトごとの原価計算 | エクセルで各プロジェクトの詳細な原価を算出し、そのデータを会計ソフトに取り込んで全体の収支を管理 |
経営レポートの作成 | 会計ソフトで集計したデータをエクセルにエクスポートし、独自のレポートやグラフを作成 |
データのバックアップと保存 | エクセルでデータを保存し、必要に応じて会計ソフトと同期することで、安全性と共有のしやすさを両立 |
これらの方法を活用すれば、業務の正確性と効率性をさらに高めることができるでしょう。
商工会議所パソコン教室で学ぶ原価計算のメリット

原価計算を効果的に学びたい方には、商工会議所のパソコン教室での学習がおすすめです。独学では得られないサポートや効率的な学習環境が整っており、短期間でスキルを習得できます。
エクセル・会計ソフトと一緒に学べる: 原価計算に使うことの多い、エクセル・会計ソフトの学習講座もあり、同じ教室で学ぶことができます。
実践的なスキル習得の環境: エクセルや会計ソフトの講座での実践的な演習を通して、実際の業務で活かせるスキルを習得できます。
最新の教材と設備: 常に最新の教材とソフトウェアが用意されており、最新のビジネススキルを学ぶことができます。
柔軟な学習スタイル: eラーニングと講師への質問を組み合わせることで、自分のペースで学習を進めることができます。
パソコン教室で学べる具体的な内容
教室にはさまざまな資格対策講座があり、原価計算初級で問われる知識や、日商PC検定データ活用で扱われているエクセルの操作方法などを学ぶことができます。資格を取得すれば、日々の仕事で活用できるほか、就職や転職の際にもアピールすることができます。
エクセル基礎講座~応用講座では、原価計算表を作成するためのエクセル操作方法を学ぶことができます。
会計ソフトの基本操作を学習することもできます。
原価計算初級講座では、資格取得を目指して学習することになります。
こうした学びは、資格や知識だけにとどまらず、現場でそのまま活かせる点が大きな強みです。
学びを仕事に活かすためのアドバイス
パソコン教室で学んだ原価計算スキルを実務やキャリアアップに活用するための具体的な方法を紹介します。
実務に役立つスキルの習得方法
学んだ内容は、日々の業務に積極的に活用することで定着します。
特に、小さな成功体験を積み重ねることで、さらなるモチベーションにつながります。
定期的に復習や応用を行い、新たな知識を取り入れることが重要です。
自主的にエクセルや会計ソフトの新機能を学ぶことで、スキルアップを目指しましょう。
就職や転職での活用例
パソコン教室で身につけたスキルは、履歴書や面接でのアピールポイントになります。
「原価計算初級の資格を持っている」「エクセルや会計ソフトの操作が得意」と具体的に伝えることで、採用担当者に強い印象を与えられます。
また、これらのスキルを活かし、経理や管理部門へのキャリアチェンジを目指すことも可能です。
パソコン教室で学ぶ原価計算をおすすめする理由
原価計算は、ビジネスの収益管理や経営戦略において欠かせないスキルです。
しかし、独学では正確な知識や実践的なノウハウを習得するのが難しい場合があります。
パソコン教室、特に商工会議所パソコン教室では、原価計算の基礎から、財務諸表の作成といった簿記2級の学習までを体系的に学ぶことができ、教材や講師によってスムーズなスキル習得をサポートします。
独学では、以下のような課題が生じることが多いです。
- 情報が断片的で、全体像が掴みにくい
- 実務経験がないため、理論だけで終わってしまう
- 疑問を解消する場がなく、自己流に陥りやすい
パソコン教室では、こうした独学の課題を克服し、効率的に学習できる環境が整っており、実務で即戦力となるスキルを学ぶことが可能です。
原価計算のスキルを活かす仕事の事例

原価計算のスキルは、幅広い業界や職種で求められています。
このスキルを身につければ、キャリアの幅が広がるだけでなく、実務において即戦力として活躍することが可能です。
ここでは、原価計算のスキルが必要とされる職種や、具体的な活用方法について見ていきます。
原価計算が求められる職種
原価計算のスキルは、製造業や小売業をはじめ、さまざまな業界で重宝されます。
特に、以下のような職種で求められるケースが多いです。
- 経理担当者
- 生産管理職
- 購買担当者
これらの職種では、原価計算の知識が業務の中核を成すため、専門性の高いスキルとして評価されます。
経理担当者
会社の財務状況を把握し、コスト管理を行う役割を担います。
生産管理職
製品のコストを正確に計算し、生産プロセスを効率化するために重要です。
購買担当者
原価計算を基に適正な仕入れ価格を交渉し、コスト削減を目指します。
スキルがキャリアアップに役立つ理由
原価計算のスキルを持つことで、以下のようにキャリアアップが期待できます。
- 専門性の向上
- 管理職への道
- 市場価値の向上
専門性の向上
数字を扱うスキルは、経営判断や業務改善の場面で活用されるため、高い評価を得られるでしょう。
管理職への道
コスト管理や分析能力を評価され、管理職やプロジェクトリーダーに抜擢されるチャンスが増えます。
市場価値の向上
原価計算は普遍的なスキルであり、業界を問わず転職市場でアピールポイントになります。
このスキルは、一歩先を行くキャリアを目指す方にとって、強力な武器となります。
学んだ知識を実務で活かす方法
原価計算の知識を実務で活かすには、以下のポイントを押さえることが重要です。
- 実務に即した練習を重ねる
- 業界特有の知識を身につける
- 日常業務に積極的に取り入れる
学んだ知識を実務で活用することで、自分のスキルをさらに高め、職場での信頼と評価を得られます。
実務に即した練習を重ねる
エクセルや会計ソフトを使って、実際の業務を想定した課題に取り組みましょう。
架空の製品を設定し、その製造コストを計算する練習をすると効果的です。
業界特有の知識を身につける
自分が働く業界で使用される原価計算の手法を理解し、それに特化した知識を学びます。
製造業では材料費や労務費、小売業では物流コストなどに焦点を当てると実務で役立ちます。
日常業務に積極的に取り入れる
学んだ知識を日々の業務で使い続けることで、スキルが定着します。
例えば、簡単なコスト分析をチーム内で提案し、改善案を実施するなどの取り組みが効果的です。
学んだ知識を実務で活用することで、自分のスキルをさらに高め、職場での信頼と評価を得られるでしょう。
まとめ:原価計算スキルを習得してビジネスに活かそう
原価計算は、ビジネスの効率化に欠かせないスキルです。商工会議所のパソコン教室を活用することで、効率的に原価計算を学び、実践的なスキルを身につけることができます。ぜひ、無料体験などを通じて、自分に合った学習方法を見つけてください。