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2026.10.16
60代・70代を狙うネット詐欺に注意! よくある手口とトラブルを防ぐ対処法
パソコンやスマホを使っていると、ふと「怪しいな」と感じる瞬間に出会うことがあります。
けたたましい音とともにパソコンに突然表示される、ウイルスに感染したとの警告メッセージ。
SNSで親しくなった人が教えてくれる、もうかる投資の話。
頼んだ覚えのない荷物の不在配達のメール。
パソコンやスマホを使っていれば、どれも決して珍しいものではありません。
もしかすると、それがネット詐欺の始まりかもしれません。
この記事では出会いやすいネット詐欺を整理して、見分け方と対処法をご紹介します。
目次
シニア世代がネット詐欺に狙われる
インターネットやSNSを利用した詐欺は増加の一途をたどっており、特にシニア世代の被害が増えています。
パソコンの偽警告画面をきっかけにした「サポート詐欺」では、2023年度に国民生活センターへ寄せられた相談のうち、54.5%を70歳以上が占めました。
SNSをきっかけにした「投資詐欺」・「ロマンス詐欺」も、大阪府警がまとめた令和7年のデータによると、被害者の約25%は65歳以上です。
こうした被害から身を守るいちばんの近道は、手口をあらかじめ知っておくことです。
詐欺はどこからやってくるのか
詐欺の手口は数多くあり、その入り口はひとつではありません。
この記事では、パソコンやスマートフォンをお使いのときに出会いやすい、次の6つの手口をご紹介します。
それぞれの中身は、各章のはじめでご説明します。
手口に共通する3つのサイン
手口は違っても、身構えるべきポイントは共通しています。
どれかひとつでも心当たりが出てきたら、いったん手を止める。
その一拍が、身を守ってくれます。
ただし、この3つがなかなか表に出てこない手口もあります。
1. サポート詐欺:偽の警告画面が出たとき
まず紹介するのは、「サポート詐欺」と呼ばれる手口です。
パソコンの画面に「ウイルスに感染しました」という警告を大きく表示し、そこに書かれた電話番号へ電話をかけさせます。
下記のサポート窓口までお電話ください。
※ 上の画面は説明のために作った見本です。本物のウイルス警告ではありません。
怪しいサイトを見ていたわけでもなく、ただ調べものをしていただけなのに、画面いっぱいに警告が広がります。
時には、実在する有名企業の名前を騙り、本物そっくりのロゴまで警告画面に表示される場合があり、動転していると、うっかり信用してしまいそうになります。
まずは正体を知る
情報処理推進機構(IPA)は、こうした警告画面が表示されても、パソコンがウイルスに感染したことにはならないと説明しています。
ただのウェブページとして、「ウイルスに感染した」という文字が表示されているにすぎません。
警告音も、残り時間のカウントダウンも、有名企業のロゴも、すべて不安をあおるための飾り。
つまり、画面がどれだけ怖く見えても、実害はまだ何も起きていません。
やることは画面を閉じるだけ
正体が分かれば、やるべきことは拍子抜けするほど簡単です。
何かを直す必要も、ウイルスを取り除く必要もありません。
まず音量を下げましょう。音が鳴っていると、誰でも冷静さを失います。
閉じ方は、キーボードのキーをひとつ押す方法と、パソコンを再起動する方法があります。
どちらも難しくはありませんが、慌てた場面でとっさに思い出せるかどうかが問題です。
IPAは、偽の警告画面を閉じる練習ができる「偽セキュリティ警告画面の閉じ方体験サイト」を公開しています。
本物そっくりの画面が出ますが、安全に試せます。
何も起きていない今のうちに、一度触れておくとよいでしょう。
絶対にしてはいけないこと
画面の中のボタンや案内には触れず、閉じて済ませたのなら、そこで終わり。
電話もかけていないのであれば、お金を取られることはありません。
電話をかけてしまうとどうなるか
もし、電話をかけてしまった場合、典型的な手口としては、「解除するためのサポート料」と称して、クレジットカードやコンビニ決済などでの支払いを要求してきます。
中には、すぐには金銭を要求せず、「こちらでウイルスを遠隔操作で除去しますので、パソコンを遠くから操作するためのソフトをインストールしてください」と指示してくる場合もあります。
指示どおりにソフトを入れてしまうと、今度は本当にパソコンを操作できなくなり、そこで支払いを要求されたり、相手が遠隔操作で勝手に出金の操作をしたりすることもあります。
電話をかけてしまったときの対処法
対処法としては、もし電話をかけてしまっても、電話口の相手が何かを要求してきて怪しいと感じたら、通話中でもすぐに電話を切ることです。
すでに相手の指示に従ってしまい、自分のパソコンに何かソフトウェアのインストールが始まっている、またはインストールは完了し、自分のパソコン上で相手が遠隔で何か操作を始めている状態でしたら、Wi-Fiを切る、または通信ケーブルを抜くなどして、インターネットの接続を直ちに切ってください。
Wi-Fi(無線)でつないでいる場合画面右下のWi-Fiのマークを押し、表示されたメニューの「Wi-Fi」ボタンを押してオフ(灰色)にします。

LANケーブル(通信ケーブル)でつないでいる場合パソコンに差し込まれているケーブルを、先端のツメを押しながら引き抜きます。

相手の要求に応じてしまったら
相手の要求に応じてしまったら、クレジットカードならカード会社へ支払いの停止を、電子マネーなら発行元へ決済の停止と救済措置をすぐに依頼しましょう。
インターネットバンキングで送金してしまった場合は、すぐに銀行へ連絡してください。
なお、クレジットカードの利用履歴や、買った電子マネーのカードなどは、必ず手許に置いておいてください。
また、警告画面などがまだ表示されていれば、スクリーンショットも撮っておきましょう(撮り方はこちら)。
そのうえで、最寄りの警察署に通報・相談してください。
ご自身で進めるのが不安なら、警察相談専用電話「#9110」や消費者ホットライン「188」に相談してみてください。また、警察庁の「サポート詐欺対策」ページでも詳しく対処法が紹介されています。
ネットを切ったパソコンでは開けないので、スマートフォンなど別の機器で確認するか、いまのうちに目を通しておきましょう。
2. フィッシング詐欺:宅配や銀行を装うメール・ショートメッセージ
次に、「フィッシング詐欺」と呼ばれる手口を紹介します。
宅配便の不在通知や銀行からのお知らせを装ったメールやショートメッセージで、偽のホームページへ誘い込みます。
※ 上のメッセージは説明のために作った見本です。
リンクを開くと、本物そっくりのログイン画面が表示されます。
そこでIDやパスワード、クレジットカード番号などを入力してしまうと、情報を盗まれ、アカウントを乗っ取られてお金を奪われたり、ネットショッピングで勝手に買い物をされたりします。
備えは、たったひとつの習慣を身につけることです。
見た目は本物そっくりでも、別のサイトへつながっていることがあります。
いつも使っているアプリや、お気に入りに登録したサイトから開きましょう。
「お荷物のお届けにあがりましたが不在でした」「ご利用を停止しました」。
こうした文面は、心当たりがあるときほど信じてしまうもの。
だからこそ、内容を確かめたくなったら、メッセージの中のリンクではなく、宅配会社のアプリや銀行のサイトを直接自分で開いて確認するのです。
本物の連絡なら、そちらにも同じお知らせが残っているはずです。
見当たらないときは、アプリやサイトに載っている問い合わせ先へ。
届いたメッセージに書かれた番号ではなく、公式に案内されている連絡先を使いましょう。
もし偽サイトに入力してしまったら
リンク先の偽サイトにIDやパスワード、カード番号などを入力してしまったときは、入力したものに応じて、次のことをすぐに行ってください。
| 入力してしまったもの | すぐにやること |
|---|---|
| ネットショッピングやメールなどのIDやパスワード | そのサービスのパスワードをすぐに変える。同じパスワードを他のサービスでも使っているなら、そちらもすべて変更する |
| 銀行のアプリやネットバンキングのIDやパスワード | パスワードを変えるだけで済ませず、すぐに銀行へ連絡して相談する |
| クレジットカード番号 | すぐにカード会社へ連絡して相談する |
いずれの場合も、身に覚えのない引き落としや送金がないか、あとで確認しておきましょう。
3. 架空請求:身に覚えのない請求が届いたとき
次に、身に覚えのない料金を求められる「架空請求」と呼ばれる手口を紹介します。
「未払いの料金があります」といった内容のハガキやショートメッセージが突然届き、支払いを求められます。
以下は、架空請求で届く封書の例です。
このように、「訴訟」「差し押さえ」といった言葉や、公的機関に似せた名前を使って、不安をあおってきます。
一方、ネット上では、動画や画像を押しただけで「登録が完了しました」という画面が表示され、料金を請求されます。
これは、「ワンクリック詐欺」と呼ばれるものです。
※ 上の画面は説明のために作った見本です。
画面には「登録番号」や「IPアドレス」など個人を特定したように見せる文字列や、「法的措置を取る」「延滞金が発生する」といった強い言葉が並びますが、実際に住所や氏名まで特定されているわけではありません。
送り主の狙いを知っておく
送り主の狙いは、受け取った人を慌てさせて、連絡や支払いの手続きをさせることです。
「払わなければ裁判になる」などと迫り、お金をだまし取ろうとします。
支払わずにいると、似たような文面の連絡を日を置いて何度も送りつけ、さらに不安をあおってきます。
しかし、届いた請求に身に覚えがなければ、怖がる必要はありません。
対応のポイントは、次の2つです。
慌てて支払わない
「ご自宅へ伺います」といった文言も、不安をあおるための演出です。
とはいえ、「本当に使っていないか自信がない」「どうしても不安が消えない」ということもあるでしょう。
相手には連絡せず、自分で調べた公式ホームページの窓口や、消費者ホットライン「188」へ相談してください。
自分から連絡しない
連絡してしまうと、相手に「実際に使われている連絡先」だと伝わり、その後の電話や別の請求につながることがあります。
これ以上個人情報を知られないために、連絡は避けましょう。
4. SNS型ロマンス詐欺:SNSで親しくなった相手からの送金依頼
次に、「SNS型ロマンス詐欺」と呼ばれる手口を紹介します。
SNSやマッチングアプリで知り合った相手と、一度も会わないままやりとりを続けるうちに恋愛感情や親近感を抱かされ、お金をだまし取られる手口です。
2026年上半期の被害額は、約247億円にのぼります。
時間をかけて信頼させてくる
始まりは、何気ないメッセージです。
やがて「別のアプリで話しませんか」と、ほかのサービスへ誘われます。
相手は何か月も毎日やりとりを重ね、信頼を積み上げてからお金の話を切り出してきます。
冒頭で紹介した「急かしてくる」というサインがなかなか表に出ないため、怪しさに気づきにくくなります。
お金を求める口実は「2人の将来のために投資をしよう」「会いたいから旅費を送って」「荷物を送るから手数料を払って」など、さまざまです。

相手が本物かどうかを、やりとりだけで見抜くのは簡単ではありません。
そこで、次のことだけは決めておきましょう。
相手がどんな理由を挙げても、お金の話が出たら詐欺を疑ってください。
もし今、そういうやりとりの最中にある方がいらっしゃったら、お金を送る前に、どうか一度ご家族か「188」に話してみてください。
5. SNS型投資詐欺:SNSの広告から始まる投資話
次に、「SNS型投資詐欺」と呼ばれる手口を紹介します。
SNSの広告やダイレクトメッセージをきっかけにLINEなどへ誘い、「株や暗号資産に投資すればもうかる」と信じ込ませて、「投資金」や「手数料」の名目でお金を振り込ませる手口です。
誘われた先には、本当にもうかりそうだと思わせる材料がいくつも用意されています。
ところが、それらはすべて、お金を出させるために作られたものです。
もうかっているように見せかける
招待された投資グループには「もうかった」という書き込みが並びますが、その多くはサクラです。

最初は少額の利益を実際に振り込んだり、画面の上で高額の利益が出ているように見せたりして、信用させます。
ところが全額を引き出そうとすると、「手数料」などの名目で、さらにお金を求められます。
支払っても「当局に資金を止められた」などと理由が重なり、結局は引き出せません。
やがて業者ともグループのメンバーとも連絡が取れなくなってしまいます。
「必ず」「確実」「あなただけ」と言われたら、その時点で疑ってください。
警察庁は、ほかにも次の点を確かめるよう呼びかけています。
- 有名人の名前が出てきたら、本人の公式アカウントで発信されているか確かめる
- 勧誘してきた業者が、金融庁に登録されているか調べる
- 振込先に個人名義の口座を指定されたり、振り込むたびに口座が変わったりしたら、詐欺を疑う
6. ネットショッピング詐欺:極端に安い通販サイトに出会ったとき
最後に、「ネットショッピング詐欺」と呼ばれる手口を紹介します。
SNSの広告や検索結果に出てくる通販サイトで、ブランド品や食品などが極端に安く売られていますが、運営している会社が実在しない、サイトそのものが偽物ということがあります。
代金を振り込んだのに商品が届かない、届いても粗悪な偽物だった、という被害が起きています。
国民生活センターには、米の高騰に便乗した偽の通販サイトなど、そのときどきの話題や品薄に便乗した相談が相次いで寄せられています。
見分けるサイン
- 代金の支払い方法が限られている(銀行口座への前払いや電子マネーなど、返金が難しい方法しか選べない)
- 「特定商取引法に基づく表記」が見当たらない、または販売業者名・住所・電話番号が不自然(実在しない住所など)
- 「本日中」「残りわずか」など、注文を急かす表示が目立つ
- 日本語の言い回しが、どことなく不自然
広告やSNSのリンクからたどり着いたお店は、そのまま注文せず、お店の名前を自分で検索して公式サイトかどうか確かめましょう。
国民生活センターが公表している「悪質通販サイト情報」で、名前が挙がっていないか確認するのも有効です。
支払ってしまったら
もし偽サイトで代金を支払ってしまったら、支払い方法に応じて、すぐに次のところへ連絡してください。
銀行振込の場合は、振込先の銀行に連絡して、「振り込め詐欺救済法」による救済を求めたいと伝えましょう。
口座に資金が残っていれば、返還を受けられる場合があります。
※「振り込め詐欺救済法」は詐欺に使われた口座を凍結し、残っているお金を被害にあった人へ分配する仕組みです。振り込みで支払っていれば、振り込め詐欺以外の詐欺も対象になります(金融庁の案内)。
クレジットカードの場合は、カード会社に連絡して、支払いの停止を依頼してください。
サイトでIDやパスワードを入力していた場合は、同じものを使っているすべてのサービスで、パスワードを変更しましょう。
サイトのURLや画面、注文確認メール、振込明細は、相談の際に必要になるので、必ず残しておきましょう。
サイトの画面はスクリーンショットで保存できます(撮り方はこちら)。
そのうえで、支払い方法にかかわらず、最寄りの警察署に相談してください。
支払ってしまった後はもちろん、「このサイト、大丈夫かな」という注文前の段階でも、消費者ホットライン「188」へ相談できます。
(ご参考)スクリーンショットの撮り方
被害にあったときは、画面の記録が相談の手がかりになります。
いざというときに慌てないよう、撮り方を確認しておきましょう。
キーボードの「Windowsキー」と「PrtSc(プリントスクリーン)キー」を同時に押すと、画面が「ピクチャ」フォルダーの中の「スクリーンショット」フォルダーに保存されます。
※「PrtSc」キーがほかのキーと兼用になっているノートパソコンでは、「Fn」キーも一緒に押す必要がある場合があります。
うまくいかないときは、スマートフォンのカメラで画面を撮影しても構いません。
※機種によって操作が異なる場合があります。
まとめ:知っていれば身を守れる
手口は毎年のように姿を変えます。
去年の知識が今年は通じない、ということも起こりえます。
それでも、身を守るために以下の6つは頭の片隅においておきましょう。
困ったときや判断に迷ったときは、ひとりで抱え込まず、まずはご家族や身近な人に連絡しましょう。
商工会議所パソコン教室では、インターネットのさまざまなサービスを安心して使うための手順を学べる「インターネット活用講座」を用意しており、サポート詐欺やフィッシング詐欺への対応についても、詳しく説明しています。
また、ネット詐欺対策の知識を学習するだけでなく、実際に怪しげなSNSメッセージが届いたときなどには、経験豊富なインストラクターにどうすればよいか相談することもできますので、お時間のある方は是非ご入学を検討ください。
無料体験・説明会も随時受け付けておりますので、まずはお気軽にお問い合わせください。
教室へ来校いただく形式なので、つまずいた瞬間にインストラクターへ直接質問できます。
長年の指導経験をもとに作られた教材で、必要なところから順に学べます。

